Celeryタスクがtask.delay()で起動しない理由
By khoanc, at: 2024年9月9日17:34
Estimated Reading Time: __READING_TIME__ minutes


task.delay()
がCeleryタスクをトリガーしない理由
Celeryを使用すると、時間のかかるタスクをバックグラウンドワーカーに委譲でき、メインアプリケーションの応答性を維持できます。しかし、task.delay()
を呼び出してもタスクが実行されない場合は、いくつかの構成上の問題やミスが原因である可能性があります。
この記事では、これらの問題を調査し、タスクをスムーズに実行するための解決策を示します。
考えられる原因と解決策
1. Celeryワーカープロセスが実行されていない
Celeryのタスクはワーカーによって処理されるため、ワーカーが実行されていないと、タスクは処理されません。
celery -A proj worker --loglevel=INFO
上記の command を実行して、ワーカーが実行されていることを確認してください。proj
はCeleryアプリケーションの名前に置き換えてください。デフォルトでは、celeryワーカープロセスはDEFAULTキューを listen します。タスクのキューを別のもの(例:QuickBooks、Stripe)に指定する場合は、ここでキュー名を指定する必要があります。
celery -A proj worker --loglevel=INFO -Q default,quickbooks,stripe
解決策:
task.delay()
を呼び出すときは、常に少なくとも1つのワーカーが実行されていることを確認してください。
2. Celeryブローカーの設定が間違っている
Celeryは、RabbitMQやRedisなどのメッセージブローカーを使用してタスクをキューイングします。ブローカーの設定が間違っているか、実行されていない場合、タスクはキューに送信されません。
settings.py
の例:
CELERY_BROKER_URL = 'redis://localhost:6379/0'
# Rabbitmq: amqp://myuser:mypassword@localhost:5672/myvhost
ブローカーのURLが正しく、ブローカーサービスが稼働していることを確認してください。
解決策:
settings
内のCELERY_BROKER_URL
を再確認し、ブローカー(RedisまたはRabbitMQなど)が動作していることを確認してください。
3. タスクが登録されていない
タスクがCeleryアプリケーションに登録されていない場合、task.delay()
を呼び出しても何も実行されません。これは、タスクがインポートされていないか、正しくデコレートされていない場合によく発生します。
例:
from celery import Celery
app = Celery('proj')
@app.task
def add(x, y):
return x + y
タスクが@app.task
で正しくデコレートされ、必要な場所で正しくインポートされていることを確認してください。
解決策:
タスクがCeleryアプリケーション内で正しく定義され、登録され、インポートされていることを確認してください。
4. タスクキューの設定が間違っている
Celeryでは、タスクを特定のキューにルーティングできます。ワーカーが正しいキューを listen していない場合、タスクは実行されません。
settings.py
の例:
CELERY_TASK_ROUTES = {
'proj.add':
{
'queue': 'math_tasks'
},
}
ワーカーが正しいキューを listen するように設定されていることを確認してください:
celery -A proj worker -Q math_tasks --loglevel=INFO
解決策:
タスクが既存のキューにルーティングされており、ワーカーがそのキューからのタスクを処理するように設定されていることを確認してください。
5. データベース接続の問題
タスクがデータベースとやり取りし、接続に問題がある場合(たとえば、データベースがダウンしている場合)、タスクはサイレントに失敗し、トリガーされません。
タスクの例:
@app.task
def save_to_db(data):
# データベース操作はこちら
pass
解決策:
データベース接続がアクティブであり、データベース操作を含むCeleryタスクを実行する前に必要なマイグレーションが適用されていることを確認してください。
6. イーガーモード
Celeryには、タスクがワーカーに送信されるのではなくローカルで実行される「イーガーモード」があります。このモードはテストに役立ちますが、タスクがキューイングされると予想される場合に混乱を招く可能性があります。
settings.py
の例:
CELERY_TASK_ALWAYS_EAGER = False
タスクをキューイングするために、settings
でCELERY_TASK_ALWAYS_EAGER
がFalse
に設定されていることを確認してください。
解決策:
意図しない限り、イーガーモードで実行されていないことを確認してください。
7. タスクの有効期限
デフォルトでは、Celeryタスクには有効期限があります。この時間内にタスクが実行されない場合、破棄され、タスクがトリガーされなかったように見える可能性があります。
有効期限付きタスクの例:
add.apply_async((10, 20), expires=60)
解決策:
必要に応じて有効期限を調整して、タスクが早期に破棄されないようにしてください。
8. ブローカーとワーカーのタイムゾーンの不一致
ブローカーとワーカー間のタイムゾーンが一致しないと、タスクが正しくスケジュールされず、タスクが遅延したり、まったく実行されなかったりする可能性があります。
例:
CELERY_TIMEZONE = 'UTC'
ブローカーとCeleryワーカーの両方が同じタイムゾーン設定を使用していることを確認してください。この問題に関するGitHubのリンクがあります
解決策:
スケジューリングの問題を避けるために、ブローカーとCeleryワーカー間のタイムゾーンを同期させてください。
一般的なエラーとデバッグのヒント
問題を特定するのに役立つ、いくつかの実践的なデバッグのヒントを以下に示します。
-
ロギングを有効にする:詳細なロギングを使用して、タスクで何が起こっているかを追跡します。
celery -A proj worker --loglevel=DEBUG
-
タスクキューを検査する:Celeryのinspectコマンドを使用して、ワーカーとタスクの状態を確認します。
celery -A proj inspect active
-
ブローカーを確認する:ブローカーとしてRedisを使用している場合、Redisに接続して次のコマンドを実行することで、保留中のタスクのリストを確認できます。
redis-cli keys *
結論
task.delay()
がCeleryタスクをトリガーしていない場合、通常は、ワーカーが実行されていない、ブローカーの設定が間違っている、タスクの登録に問題があるなどの構成上の問題が原因です。
これらの潜在的な問題点を体系的に確認することで、問題を迅速に特定して解決できるはずです。
詳細なCeleryの設定についてはこちらをご覧ください。